SONY ICF-610R

Serial No.12875

概要

薄型、カードサイズのFM/AM2バンドラジオです。本体に巻き取り式のイヤフォンが内蔵されています。最初のカードタイプの2バンドラジオ、ICF-600Rの後継機種として発売されています。ICF-600Rは、大きさ的にはICF-610Rと同じくらいでしたが、電池寿命(FM)が11時間程度と、高額なリチウム電池を使うラジオとしては、ランニングコストが厳しい面がありました。
このラジオはFMでの電池寿命が55時間と大幅に改善されています。「新IC採用による省電力」というフレーズで、新型のICにより電池寿命を伸ばしています。合わせて、音声出力も7mW → 4mWと落とされており、このあたりも節電に貢献しているかもしれません。
デザインは、黒地に、「Fm x am 2band」という文字が図案化されたものです。前モデルのICF-600Rはデザインが二種類ありましたが、一つに統一されました。
イヤホン内蔵のため、一番厚い部分は10mmあります。同じ時期にイヤホンジャックでイヤホン外付けのICR-604も発売されていますが、こちらは厚みが4.9mm(まあ、5mmだと思うのですが)となっています。
本モデルは、CXA1590NというSONY製のICが使用されていますが、このICが省エネ設計されたICのようです。その他に、スイッチ/タイマーにBU2302(ROHM)というICが使用されており、全部で2個のICが使用されています。
前機種のICF-600Rは、AM/FM用のワンチップICとして、CXA1280Nが使用されています。このICはこの頃の小型の2バンドラジオ(SRF-AV51R等)に使われており、特別にエネルギー消費が多いわけではないと思いますが、ポケットラジオでも電源は通常単4電池とかで、リチウム電池に向けて特別省エネ設計されたものではないようです。

仕様

発売:

1993年 (平成5年)

電源:

CR2032H (3V)

トランジスタ等:

2 IC

音声出力:

4mW

バーアンテナ:

45mm

スピーカー:

なし

操作部:

電源スイッチ、バンド切替スイッチ、ボリューム、チューニング

表示等:

受信周波数:

AM:: 535 - 1605 kHz
FM:: 76 - 108 MHz (TV 1-3 ch)

ターミナル:

シリーズ:

SHEET

サイズ:

W56mm x H86mm x D10mm

重量:

40g

色:

黒

製造:

日本製

価格:

7,000円

メンテナンス

動作問題ありませんでしたので、内部確認のみです。

カタログ情報等

ソニー製品のしおり

ソニー製品のしおり75 (1993), p77
イヤホン巻取り式カードサイズラジオ。省電力IC搭載で電池持続時間を大幅にアップ
FM(V1～3)/AMカードサイズラジオ
ICF-610R 標準価格7,000円
主な付属品：リチウム電池

FM/AM2バンドのカードサイズラジオ
イヤホン本体をすっきり収納できる巻き取り機能付き
高音質レシーバー「ヌード」付属
オートパワーオフ機能(80分)

電池持続時間：約55時間(FM)、約120時間(AM)
大きさ：幅86 x 高さ56 x 奥行10mm
重さ44.5g

2023/04/12

No.171