SONY ICF-B200

概要

• AM/FMの2バンドの非常用ラジオです。1995年阪神淡路大震災の年の防災の日に、ソニーから非常用ラジオとしてICF-B100が、1996年にはICF-B50が発売され、このラジオは1997年の第3弾になります。前２機種は、長期保存可能なリチウム電池を非常用に内臓していましたが、このラジオはリチウム電池ではなく、非常用として手回し発電機を内臓しています。
• 発電機付ラジオとしてはソニーで最初のもののようです。発電機で発生した電気は、内臓のニッカド電池に蓄えます。充電電流の目安としてLEDが装備されており、点灯する程度の速さで発電機を回して充電します。現在（2016年)のソニーの防災ラジオICF-B09の原型だと思われます。
• 1分の充電で30分ラジオが聞ける仕様になっています。無負荷でがんがんまわすと10Vぐらいは出ますが、負荷がかかるとそこまではあがらず、LEDは4.5Vぐらいで点灯するようになっているようです。2.4Vで使用すると普通の音量で電流は10mA程度ですので、1分で10mA x 0.5 = 5mAhr程度の充電が可能なようです。
• 単純計算では、1時間での充電量は300mAhrとなりますが、使用されているバッテリーは300mAhrですので、ちょうど1Cでの充電となります。満充電には1～1.5時間程度かかることになり、300mAhrは容量の確保ではなく、大電流で短時間の充電でラジオが聞けるようにするため、大きなものが採用されているように思います。
• 防水ではありませんが防滴設計です。JIS防滴II形（現在のJIS IPX2相当）となっており、「鉛直方向から15度の水滴を受けても問題がない」仕様である程度の雨には対応できます。防滴性能を出すために、裏蓋の接合面にはシーラントが塗られているため、分解時に外すときは少し力が要ります。
  なお、電池ボックスの蓋はあまり特に養生されていませんが、手回しで使う分には問題はありません。
• 屋外での使用を想定してか、角・出っ張りのない丸いデザインです。ロッドアンテナも本体に埋まるように収納されており、なかなか考えられています。
• また、非常用としていろいろと工夫されている点があります。非常用ブザーが付いていたり、ダイヤルライトは本体のスイッチが入っていなくても点灯できるようになっています。また、ストラップの取手は、電力節約に有効なイヤホンが収納できるケースになっています。非常用のブザーはちょっと非力なためか、後継機種は「笛」に変更されたようです。
• 1-ICのラジオです。CXA-1019Mが使用されています。横長のラジオなのですが、左側は発電機が入っていることもあり、バーアンテナはポケットラジオ並みの50mm程度です。

仕様

発売：

1997年

電源：

単3 x 2, 手回し発電機（2.4V Ni-Cd電池内臓）

トランジスタ等：

1 IC

バーアンテナ：

約50mm

操作部：

電源・バンド切り替えSW、ボリューム、チューニング、電源切り替えSW、発電ハンドル、ダイヤルライトSW

表示等：　チューニングLED、充電LED

受信周波数：

AM:

530 - 1605 kHz

FM:

76-108 MHz (アナログTV 1-3ch)

ターミナル：

Earphone（カバー付）

サイズ：

H80mm x W163mm x D55mm (カタログ値)

重量：

330g （カタログ値）

色：

シルバー

製造：

日本製

価格：

12,000円

メンテナンス

動作は問題ありませんが、内臓のバッテリーが持ちませんでした。普通の電池ボックスに充電池側の配線を付け替えて、ボックスに単三型のニッケル水素電池等を入れて使用するのも一案かもしれませんが（普通の電池を入れないように気をつける必要がありますが）、ここでは、内臓電池を交換することにしました。

防滴ラジオのため、裏蓋の接合面にはシーラントが塗られているため、外すときはすこし力が要ります。電池の電極の部分もシールされています。しっかりとしたつくりと思います。

本組みのNi-Cd電池が使用されています。充電されないことはありませんが、1分まわしても、3,4分程度しか使用できませんでした。何度か繰り返しましたが回復しませんでした。

Ni-Cdはガツンと充電すると目覚めるという話も聞いたことがあったのですが、さすがに手回しではできないので、仮配線して外部電源をつなぎ、1Cで1時間ほど充電してみましたが、どうもだめみたいでした。

発電機は2枚のギアで減速されています。しっかりとしたボックスに入っています。

>基盤は部品数も少なくシンプルなつくりです。ボリューム以外のスイッチも直接取り付けられており、効率的なつくりです。
定格電力の高そうな抵抗は、充電電流の調整用のようです。発熱対策できちんと浮かせて取り付けられています。

メインの基盤を外す前にボリューム用の基盤を外したほうがよさそうです。前面のスイッチ類は外す必要はありません。
ダイヤルとバリコンはピニオンとクラウンギアの接続であまり見ないタイプです。

駄目になった電池ですが、元のスペースに収めるためには、できれば同じサイズのものがいいのですが、同じ組電池は見つけられませんでした。
幸い組む前のNi-Cd電池は、ラグ端子付のものが秋葉原ラジオセンター近くの真光無線というお店で見つかりました。太さは単三と同じで長さが30mmのもので、2/3AA400という電池です。400は400mAhrの意味のようですが、オリジナルよりも100mAhr容量が大きくなりました。

コネクターはもとの電池のものを外せばいいのですが、せっかくですので、外して充電できるよう相方も含めて新調しました。何件か周りましたが、ラジオセンター1Fのコネクター屋さんで見つかりました。2Fのコネクター屋さんにいったら、一目見てこれは1Fのお店で売っていると言われました。恐るべしラジオセンター。

ラグを半田付けして、見にくいですが透明の極太のシュリンクチューブでパックして、コピー商品の作成完了です。

元のスペースにぴったり収まりました。

2013/04/20

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