SONY ICF-CA5V

Serial No.

概要

ソニーICF-CA5VはAM/FM/VHF3バンドのポータブルラジオです。操作の容易性に重きを置いたラジオで、気配りラジオという分類がされており、シニア向けのラジオになります。

気配りラジオのシリーズとして、ラジオ(ICF-A55V)、ラジカセ(CFM-A50)も同時期に発売されていす。これらのラジオ、ラジカセは側面の一部に木目調のパネルが使用されるなど、デザインも統一性があります。特徴あるデザインで、側面の木目は別にすると、ポップな感じに思えなくもないです。
型番のCAは、アナログ時計付きのラジオにこの頃使われています。その前はデジタルC、アナログはAでしたが、ICF-A55VにAを使ったためなのか、変更されたようです。
大きなアナログ時計を内蔵した、3バンドラジオです。シニア向けラジオということで、機能表示も白文字の日本語で、操作部も大きなスイッチ・つまみが使用されており、ON/OFFも派手な色使いで認識しやすいです。スヌーズボタンも、スヌーズではなく「めざましくりかえし」、ライトも「照明」と分かりやすい表記にされています。企画に基づいていろいろと気を配った仕様と感じます。音声出力90mWという点は、耳の良くない方にはやや物足りない気もします。
チューニングダイヤルはバンド切替に合わせて必要なバンドのみが表示される、World Zoneみないな機構で見やすくなっています。指針も、黒地に黄色の目立つ配色です。FM/VHF用のアンテナは、外付けリードアンテナになっています。他2機種は、短くて立てるだけのヘルカリアンテナが使用されています。一般的なロッドアンテナは、引き出す必要があり、構造的にあまり強くないこともあり、避けられたようです。
時計は汎用のクオーツアナログ時計のムーブメントが利用されております。時刻合わせ用の背面のつまみは、直接ムーブメントに接続されています。アラームのセットは前面の時計部分の淵の黒い部分を回して設定します。中国製でSKCと書かれておりますが、セイコークロック（現セイコータイムクリエーション）の商標のようです。
上面の大きなボタンは、目覚ましスヌーズ兼ライトスイッチです。ライトは時計とハンドル左部の2か所にあり、1度押すと20秒ほど点灯して自動で消灯しました。
使用には不要な情報だからなのか、型番は、ダイヤルの隅にすごく小さく表示されています。背面にはイヤホンを収納するポケットがあります。
時計用電池は独立しており、寿命は1年間あります。ラジオ用主電池が切れても、時計用電池がはいっていれば、時計としては動作します。トランジスタは基板の番号ではQ26まで確認できます。ICはIC4まで確認できます。ラジオ用ICは、定番のCXA-1019Sです。

仕様

発売:

2001年 (平成13年)

電源:

単3x2 (3V, ラジオ用)、単3x1(1.5V, 時計用)

トランジスタ等:

26TR(?), 4IC(?)

音声出力:

90mW**

バーアンテナ:

80mm

スピーカー:

57mm**

操作部:

電源SW、めざましSW、おやすみタイマーSW、めざましくりかえし/照明SW、音質SW、バンドSW、音量、選局、めざまし音SW

表示等:

同調LED

受信周波数:

AM:: 531 - 1710 kHz
FM:: 76 - 108 MHz (TV 1-3ch)
TV:: 1-12 ch

ターミナル:

イヤホン

シリーズ:

気配りラジオ

サイズ:

W175 x H143 x D87mm (つまみ・ハンドル含む)

重量:

538g

色:

黒/グレー/木目

製造:

日本製*

価格:

11,000円(税別)***

*本体記載　**取扱説明書 ***商品のしおり

メンテナンス

ラジオの動作は問題ありませんでした。ハンドル部のライトが点灯せず、時計が不動でした。あと、振るとからから音がしました。時計は歯車回りにゴミが入り込んだことが原因のようで、分解清掃で回復しました。

他のセット写真を見て気が付きましたが、秒針が欠品でした。3針セット購入できるようですが、送料もかかりますし、規格がよくわからないため、

時計調整用のノブを引っこ抜き、ビス5本外せば、裏蓋はスムーズに外せます。ビスは、上側の2本は他の3本よりも短いものがつかわれています。からから音の原因は右上のビスの受けが折れていました。

背面側のフタです。照明がこちら側についているため、基板上のコードをはんだ付け外さないと分離できません。この部分のコードが切れていました。力がかかるところではないので、以前、分解した方が切ってしまったのかもしれません。

基板はシャーシに乗っています。シャーシは矢印のあるところのビス3本で固定されています。音量とチューニングのノブを外しせば、取り出せます。ムーブメントとの接続コネクターも外しておいたほうが、作業しやすいと思います。奥に見えるシールドに囲まれた部分が時計のムーブメントです。

チューニングノブは、外れてしまわないよう、樹脂のスナップリングのようなものでロックされていますので、取り外す前に解除する必要があります。写真左下、ノブの軸受け近くにある2股の白いパーツです。1枚目の写真では、基板の右下あたりにある白いパーツで、この部分を引っ張るとリングが外れます。

一度ノブを戻してロックしてみました。

ハンドルのライトがつかないのは、コードのはんだ付けが取れていただけでした。基板上に表示があるのでわかりやすいです。

ムーブメントはビス2本を外せば分離できます。接続コネクターと照明用の電球の配線は外す必要があります。時計本体は、前面側に出てきます。シールドは4か所、爪状になっている部分がありますので、その部分を外して、全体を外します。

ムーブメントは汎用品で、単3電池ボックスも装備されています。配線も繋がっていますが、照明設置のため電池を入れることはできませんので、外部電源供給して動作確認しましたが動きません。配線の問題ではないようです。

スピーカーグリルは、ビス2本で前面パネルに固定されています。下側に爪がかかっていますので、ビスを外したあと、上にスライドするようにして外します。

スピーカーグリルを外した、本体前面部です。

発振回路がダメなら修理は難しいですが、とりあえずムーブメントの裏蓋を外しました。一部ギアも外れてしまいますので、事前に写真とっといたほうがよさそうです。4方向に爪があるのですが、非常に外しにくいです。特に短辺側はムーブメント本体と干渉します。1か所、破損させてしまいましたが、何とか外れました。ギアの部分に茶色のごみが入り込んでいました。

ステップモータのコイルの両端電圧を確認しました。直流ではバタバタと値が変化し、交流で60mV程度の値がでており、回路は大丈夫そうでした。カバーを外してしまうとローターの軸が固定されませんので、動作確認ができません。掃除を徹底して、ギアの動作を確認して、組み直して動作確認します。

ステッピングモーターのローターのギアにも茶色いくずがついていました。エタノールで受け側も含めて清掃しました。

カバー側にも付着があります。

1枚目の歯車も掃除しました。カバー側に軸受けがあります。

裏蓋を閉めて、動作確認したところOKになりました。1秒に1ステップづつ回転します。茶色いゴミは、照明電球の緩衝用のスポンジが劣化したものが入り込んだようでした。ムーブメントはそれほど密閉性はないみたいです。

劣化したスポンジは除去して、無くてもよさそうな気もしましたが、貼りなおしました。

この部分はダイヤル指針が外に出ている部分で、埃が入り込みやすいです。

フェルト部分は粘着テープで掃除しました。

スピーカーはネットが貼られているのできれいです。

スピーカーのネットは丸洗いするとへなへなになったりすることもあるので、拭き取るだけのことも多いですが、丸洗いしたとの記事を見かけましたので、洗剤で丸洗いしました。

ボスが破損していました。

接着剤でくっつけましたが、強度的に心配な感じですので、ビスは少しネジ止め剤を塗って、緩めに留めました。

照明の配線4か所をはんだ付けしました。黒色の絶縁テープがはってありましたが、代わりにポリイミドテープをはりました。

アラームの指示がずれていました。針は後ろから分解しなくても、黒いリング部分から風防ごとはずせました。アラームの指示は調整することができず、短針・長針がずれていたということだったようです。

アラームセットのリングと指針板は突起でかみ合うようになってます。

カタログ情報等

製品のしおり

見やすい大きなアナログ時計を搭載。ダイヤル式簡単めざまし設定機能で、お目覚めからラシオ鑑賞を楽しめる、気配りめさましラジオ
TV(I-12ch)/FM/AMポータブルクロックラジオ
ICF-CA5V　　希望小売価格11.000円(税別)
付属:イヤホン、乾電池

めさましの時刻をダイヤルで簡単設定可能
めざましは、ラジオとブザーから選択可能0
めさましの入/切かー目でわかる大きな表示を採用
暗がりでも時計が見えるようバックライト搭載
操作しやすい大型チューナーつまみ、大型音量つまみを採用
見たいバンドだけを表示する、回転式のバンド表示窓

電池持続時間:約27時間(TV時) 約38時間(FM時) 約46時間(AM時) 約1年(時計)
大きさ:幅178.5X高さ146X奥行き86mm
質量:約540g

製品のしおり100 (2002), p92

2024/03/14

No.206