SONY ICF-M260

Serial No.1176914

概要

ソニーICF-M260はFM/AM2バンドのハンディポータブルラジオです。いわゆるPLLシンセサイザーラジオで、デジタル方式のチューニングです。クオーツ時計も付属しています。番号の手前のMはデジタルラジオに付けられているようです。
デジタルラジオとしては、エントリーモデルのお手軽ラジオに分類されると思いますが、使いやすく（設定等がやりやすい）、感度、音質ともまあまあのバランスの良いラジオだと思います。マニュアルチューニングはボタンではなく（内部はボタンですが）ダイヤル型のつまみになっています。
AM10局、FM5局がメモリーできます。ボタンは5つですので、設定のためAMは、AM1とAM2があります。設定方法はシンプルで、右サイドのジョグダイヤルで目的の周波数に合わせ、選局ボタンを長押しすれば、ピピっと2回音がなり、登録されます。
時計の設定は、電源OFFの状態で、おやすみタイマー/時刻合わせボタンを押しながらジョグダイヤルを回します。60分（値固定）のOFFタイマー、誤動作防止用のHOLD機能もあります。
登録した周波数、セットした時刻は揮発性ですが数分はコンデンサーでバックアップされます。素早く電池を交換すれば、そのまま使うことができます。
デジタルチューニングの場合、海外で使用する場合に周波数のステップが異なるため、使用できないラジオもありますが、このラジオは設定の変更ができます。電源OFFの状態で、おやすみタイマーボタンと電源SWを同時に5秒以上長押しすると、時計の表示がAM12:00に戻り点滅し、海外対応となります。もう一度行うと、国内設定に戻ります。
国内設定では、AMの周波数ステップが9kHz, FMの周波数のステップが、87-90MHzは0.1MHz、後はアナログテレビの1-3chに設定されます。海外設定にすると、AMの周波数ステップは10kHz, FMは全域76-108MHzに渡って0.05MHzとなります（表示はされませんが2回操作で0.1MHz動くようになります）。
海外の設定にすると、FM補完放送を聞くことができますが、AMが聴けません。国内設定にすると、AMは問題はりませんが、90MHzを超えるFM補完放送は聴くことができません。
立てて使用するよう設計されていると思うのですが、やや座りが悪いです。寝かせるとFMアンテナが回転しないので、垂直にすることができません。
内部は基板が2枚で、1枚はメインのラジオ基板、もう一枚は、LCD、マイコン、PLLと、押しボタンが取り付けられています。ラジオ用のICは、印字部分が塗装されており見にくいですが、CXA1019のようです。その他、シールド部分にもICがいくつかあるようです。トランジスタは基板上ではQ6まで確認できます。

仕様

発売:

1997年 (平成9年)

電源:

単3x2 (3V)

トランジスタ等:

IC(1+?), TR(6+?)

音声出力:

120mW*

バーアンテナ:

100mm

スピーカー:

66mm, 4Ω, 0.3W*

操作部:

電子ボタン（電源、ホール、バンド切替、お休みタイマー/時刻合わせ、選局x5)、選局ダイヤル、ボリューム

表示等:

LCDパネル(時刻、バンド、周波数、プリセット番号、電池警告)

受信周波数:

AM:: 531 - 1710 kHz (9kHz step, 国内モード)、530 - 1710kHz (10kHz step,海外モード)
FM:: 76 - 90 MHz (0.1MHz step, 国内モード) + TV1-3ch、または90-108MHz (0.05MHz step, 海外モード)

ターミナル:

イヤホン

シリーズ:

サイズ:

W130mm x H80mm x D32mm

重量:

223g

色:

黒

製造:

中国製

価格:

5,500円

メンテナンス1

ジャンク品ということで、裏蓋のねじが無く、電源は入るものの、操作ボタンが半分以上反応しませんでした。内部はすごい埃でした。

ビスが全部欠落しています。裏蓋を開けたということだと思いますが、なぜか内部は埃がひどいままで、触った形跡はありませんでした。

どこから入り込んだのかすごいほこりです。

ボリュームつまみのすきまにもぎっしりほこりです。

クリック感のあるスイッチが12個、LCDやマイコンICのあると思われる基板に取り付けられています。

端子をショートすると動作するため、スイッチの接触不良のようでした。接点用スプレーを吹きかけ、ボタンのON/OFFを繰り替えし、数時間放置してからふき取り、動作するようになりました。

スピーカーは前面パネルにぎっちり接着剤で付けられていたため、スピーカーの取り外しはやめて、このまま掃除しました。

全面ボタンはプラスチックの一体のパーツになっています。前面側基板のパターン面は、シールドがあり、良く見えません。

２つの基板ははんだ付けのフラットケーブルで接続されているため、離せません。写真のように奥側の基板のビスは、手前基板をすこしひねるような形にするとアクセスできます。

ダイヤル部分には緩いばねがついていましたが、ダイヤルを外した時にポロリと外れたため、取り付け方はよくわからなくなってしまいました。

ほこりは、エタノール/水＋綿棒等で地道にとりました。

ボタンパーツの出っ張りが一部折れてしまっていました。2㎜程度の突起でしたので、エポキシ接着剤で盛りました。

メンテナンス2

ジャンク品です。電池を入れると時計は表示されますが、電源スイッチが不良で電源が入りませんでした。また、アンテナの根元がまがり、引き出し・収納に何がありました。

内部は比較的きれいでした。

電源スイッチは接触不良のようで、端子をショートすれば電源は入りました。他のスイッチも接触が悪いものがあり、接点用スプレーを上面から掛けて、放置後ふき取りました。

電池プラス極の受け部分が折れて欠落していました。電極の先端がかかるため、なんとかつかえてはいます。

パテを側面からつなげて盛って、金具サポートとしました。見えないところですので、見た目適当です。

裏蓋の部分も割れていました。接着剤で貼り合わせました。

内部清掃後、組み上げました。

アンテナは外して分解できます。固定部の歪曲がひどくアンテナがうまく出し入れできないので、金敷に載せて叩いて平らにしました。

カタログ情報等

ソニー製品のしおり

ソニー製品のしおり (1997), p79
アナログ感覚で選局できるFM/AMシンセポータブルラジオ
TV(1～3ch)FM/AMンセサイザーポータブルラジオ
ICF-M260　標準価格5,500円(税別)

アナログ感覚で選局できるシャトルダイヤル搭載
AM10曲FM曲のプリセット選局可能。プリセットボタンの長押しで簡単登録
おやすみタイマー(60分)付

シャトルダイヤルと呼ばれる選局つまみが付いたことが売りにになっています。ボタンやダイレクトチューニングは風情は発見がないとか言う人もいましたので、マニュアル風な選局を売りにしたのかもしれません。

個人的には、基本性能をしっかり抑えたうえでの、この安さが一番の魅力ではと思います。同じころ売られていたアナログチューニングの2バンドラジオのICF-S60は4,000円しており、あまり価格が変わりません。

2022/9/29