SONY ICF-S12

概要

ICF-S12は、AM/FM2バンドのハンディのポータブルラジオです。当時のラジオのラインアップでは、一番価格の安いところに位置しています。機能はボリュームとチューニングつまみ、同調LEDのみのシンプルなものです。
SONYのロゴは通常は右寄せもしくは左寄せなものがほとんどだと思うのですが、このラジオのロゴは、真ん中にあります。そのためか、全く個人の感想ですが、なんかロゴが前に出すぎていて、違和感を感じてしまいます。
ソニーは、1970年代の後期から低価格なモデルを中心に、台湾、香港、韓国と言ったアジアの海外での生産に移行していっていますが、このラジオは日本製になっています。
インターネット上の情報から、発売は1993年としていますが、1993年11月のカタログには掲載されていません。英文の整備マニュアルは1994の発行になっていますので、もしかしたら1994年かもしれません。
中身のパーツ類も、日本のメーカーのものが多いです。OSC/IFTはスミダ電機（現在のスミダコーポレーション）、コンデンサーはルビコン、セラミックフィルタはTDK製です。ICはこの頃の2バンドラジオでは定番の、CXA1019Sが使用されています。

仕様

発売：

1993年

電源：

単3 x 2 (2V)

トランジスタ等：

1 IC

音声出力：

100 mW (実用最大出力EIAJ)*

バーアンテナ：

50mm

スピーカー：

57mm*

操作部：

電源スイッチ付きボリューム、チューニング

表示等：

同調LED

受信周波数：

AM:: 530 - 1605 kHz
FM:: 76 - 108 MHz

ターミナル：

イヤホン

サイズ：

W70mm x H118mm x D32mm

重量：

165g(電池別)

色：

黒

製造：

日本製

価格：

3500円(ワールドモデル)

メンテナンス

アンテナが脱落していました。幸い、外れて曲がったアンテナはありました。機能的にはボリュームのガリ以外は問題ありませんでした。

電池ボックスにネジが1か所あります。爪は、左右の真ん中あたりと、上部２個所あります。電池ボックスの金具が裏蓋にはめ込んであるため、基板は裏蓋側についてきます。金具はつめでひっかけられていますので、それを外しながら基板と裏蓋を分離します。

基板のパターン面です。表面の処理もしっかりしていて、洗練された感じです。ダイヤル指示は、ラックとギアで動かすタイプです。

ボリュームは分解できるタイプでしたので、分解して接点洗浄しました。接点洗浄剤は錆防止の効果が謳われていますが、ある程度、埃を呼ぶ可能性もあるので、適当には拭きとっておいたほうがいいと思っています。

FMはIFトランスは無しで、セラミックフィルター2個のみです。TDK製みたいです。

使われているIC、CXA1019Sです。この時代、割と長きにわたり使用されています。AMの中間周波段にはIFT/セラミックフィルタが使われています。IFTはスミダ製フィルタはTDK製です。

組み立てですが、マイナス極のはめ込むには少し苦労しました。

アンテナは、根元金具の曲がりを修正して、取り付けました。最近、アマゾン等でマイクロねじのセットが安価で販売されており重宝しています。電池の裏蓋のスポンジは交換しました。ウレタンは長期的には分解してしまいがち、ポリプロピレンのものを買いました

カタログ情報等

商品のしおり90

手軽に聴ける手のひらサイズのAM/FMポータブルラジオ
FMワイド/AMハンディポータブルラジオ
ICF-S12(JE)
付属：イヤフォン、乾電池（単3x2)

FMワイドバンド採用（76～108MHz）
光で最適同調店を知らせるLEDチューニングインジケーターで簡単選局
周波数表示が大きくはっきりしているアナログチューナー
音量豊かな5.7cm大型スピーカー

(引用はワールドモデルICF-S12(JE)のものです)

2021/12/24