SONY ICF-S30

概要

• FM/AMの２バンドラジオです。サイズはポータブルですが、かなり薄く作られています。ソニーのサイト（Sony Design）にも80年代のラジオの代表として掲載されています。1982年のグッドデザイン賞も受賞しています。ストラップがややしょぼい感じなところは残念です。
• このラジオの特徴は、従来からあるアナログスイッチを用いていないところにあると思います。日本初かどうかわかりませんが、かなり走りだと思います。OFF/AM/FMの３つのプッシュボタンでラジオのオンオフができるようになっています。不用意にプッシュボタンが動作しないよう、スライド式のロックスイッチも付けられています。
• ザ・感度という愛称をつけてで販売されていたようです。S30のSはSensitivetyのSでしょうか。ラジオの大きさの割に、スピーカーがしっかりしたものが付いており、音質もやわらかくて割といい音がします。ラジオ用に開発されたICで高感度を実現したような記載がSONYのページにあります。
• 背面にスタンドが付いており、斜めに（寝そべったような）して置けます。割と薄型のラジオで、そのままで座りの悪い感もあり、ふつうに立てて使うことは想定しなかったかもしれません。底面の裏側はわざわざ面取りされていていますので。
• チューニングつまみは側面から操作なのですが、全体が前面に出ています。模様がつけられていますので、荒い周波数ダイヤルの補助には使えそうですが、デザイン的なものかもしれません。
• 20090と書かれた大きな、ラジオ用のワンチップICが使用されております。トランジスタも4石(?)ほど使用されています。そのほか、Push to onのスイッチでの電源・バンド切り替えを実現するためだと思うのですが、もう一つICが使用されています。こちらはSONY製ではなく、OKI製のM4001というのが使われています。NOR 4回路のCMOS ICのようで、NORを使ったRSラッチ回路を作っているようです。

仕様

発売：

1982年

電源：

単3 x 3, DC 4.5V

トランジスタ等：

4TR(?), 2 IC

音声出力：

mW

バーアンテナ：

150mm

操作部：

電源OFF SW、 AM選択SW、 FM選択SW、操作ロックSW、 ボリューム、チューニング

表示等：

選択バンドLED

受信周波数：

AM:

530 - 1605 kHz

FM:

76-90 MHz

ターミナル：

イヤホン、DC IN 4.5V

サイズ：

Wmm x Hmm x Dmm

重量：

g

色：

黒、白、赤

製造：

ソニー、日本製

価格：

8,800 円

メンテナンス

裏蓋ねじ３本で簡単に外れます。外してください的なマークがついています。例によってウレタンスポンジがボロボロになっています。また、水が入り込んでいたようで、スピーカー等各所に錆び浮いていました。

通電しない原因は、電池の負極の接続部が錆で朽ち果てて断線していただけで、簡単に直りました。

スポンジ屑の掃除をしたいので、樹脂のフレームを外すため２か所ねじ止めを外しましたがびくともしません。ネットで調べてましたら、分解されている方の記事を見かけましたが (詳細こちらになりますhttp://masters-radio.seesaa.net/article/446289762.html)。フレームのスピーカー周辺の部分に、スピーカーのコーンの後ろあたりにひっかける爪があり、これをドライバ等で外す必要がありました（写真はフレームを全面から見たものです）。

無事外れました。スピーカーのさびはさび落としでまあまあきれいになりました。

スピーカーも一部さびていました。錆落としできれいにしてから、ラッカーで塗装しました。

電池ボックスですが、負極側が一般的なばね端子ではなく、金具をばねで押し付けるタイプで、しっかりした作りです。

スポンジテープを貼り直し、スピーカーのさびの部分は、色合いが合わないですが、さび防止のために灰色のペイントで縫っておきました。

2016/01/05

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