SONY ICF-S33

概要

• FM/AM2バンドのポケッタブルラジオです。ICF-Sxxシリーズは1981年に発売された「ザ・感度。」シリーズのポータブルの2バンドラジオICF-S3が最初だったようです。ポケッタブルはICF-S11が1984年発売で、この機種はその後継のようです。ICF-S11と大きさ的にはあまり変わらないと思いますがデザインが、角張ったものから丸い感じに変更されています。
• 丸くなったことで、ポケットには入れやすくなりましたが、そのままでは自立しなくなってしまっています。その代わりに裏面の下の部分にスリットがあり、この部分にコイン状のものを差し込むことで、自立させられる設計になっています。
• スピーカーも普通のダイナミックスピーカーですが、ものすごく薄く作られています。また、このラジオから、電源スイッチが機械式のものからICを用いた電子式のものに変更されています。スイッチの電子化されたことに伴い、90分のオートオフ機能も搭載されています。
• FMラジオの小型化に伴い、ロッドアンテナの装着が難しくなったことや、通勤等持ち歩きながらの使用を考慮してか、ロッドアンテナが省略されていきます。このラジオもロッドアンテナがなく、イヤホンの信号線の低周波信号をカットしてアンテナとして使用しているようです。通常、イヤホンを差し込むと音声が切れてしまいますが、この機種は機械的なスイッチでスピーカーとイヤホンを切り替えられるようになっています。
• 回路的には2ICのラジオです。CX-20091という28ピンのICが、ラジオの基本的なところを担っているようです。もう一つのICは8本足の表面実装型のもので、これは電源スイッチの電子化処理を担っているようです。CX-20091は2016年時点でも、amazon.ukで35ポンドで販売されています（高い）。

仕様

発売：

1986年(昭和61年)

電源：

単4 x 2

トランジスタ等：

2IC

バーアンテナ：

40mm程度

操作部：

電源SW　、ボリュームSW、バンド切替SW、チューニング　

表示：

チューニングLED　

受信周波数：

AM:

530 - 1605 kHz

FM:

FM 76-90MHz + TV CH1-3

実用最大出力：

90mW*

電池寿命（マンガン）：

35時間（イヤホン）、17時間（スピーカー）*

ターミナル：

Earphone（FMアンテナ兼用）

サイズ：

H90mm x W53mm x D12mm

重量：

53g（電池別）

色：

黒

製造：

日本製

価格：

7,980円*

メンテナンス

動作問題ありませんでした、内部確認だけです。

裏面のビスは1本ですが、爪が多くて外しにくいです。スピーカーのついている前側のパネルの、上部の両端と側面の中ほどに爪があります。小さいラジオですが、プーリーと糸を使ったきちんとしたチューニングメカです。

小型化のためコイルや中間周波トランスは小型のものが使われています。また、セラミックフィルターも多様されています。

部品は密になっています。バーアンテナはダイヤルスケールの下につけられています。ICの上のあたりの空間はスピーカーの磁石が収まります。基盤の中央部にメインのICが鎮座しています。

スピーカーのコイルのエナメル線は極細です。

ケーブルなどを外さなくても、前面パネルと後面パネルは横に並べられますので、メンテはやりやすいです。

2016/10/30
Last update : 2021/02/16

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