SONY ICF-S60

Serial No.

概要

ソニーICF-S60は、FM/AM2バンドの横型ラジオです。ポータブルの中では比較的小型な部類で、基本的な機能を抑えたエントリーモデルです。操作部分は、ボリューム兼電源スイッチ、バンド切替スイッチ、チューニングと絞られています。
型番のSは、もともと高感度ラジオに付けられていたもので、1979年頃にはじめて使われましたが、従前のラジオよりも高感度ということだったためか、その後、特別な機種を除いては、ほとんどの機種に付けられています。このラジオは1994年発売ですので、この時点で15年たっています。
VHF-TVの全チャンネルが受信できる姉妹機ICF-S65Vも、同時期に発売されていました。2台は外観がよく似ています。
前面右側の、ダイヤルスケールの部分は本体とは別パーツで、透明の樹脂に一部着色したものになっています。この部分を取り外して、ダイヤル指針の部分は前側からはめ込んであるため、組み立て・分解がしやすいです。バリコンと選局つまみはギア直結で、チューニングしやすいと思います。
機能、外観的にあまり特筆するところが見当たりませんが、それがこのラジオの特徴ということかもしれません。1990年代の比較的廉価な部類ですが、製造は日本です。比較的長期間発売されていたのか、2022年現在、ソニーのサイトでまた取説が入手できました。
1ICのラジオです。長きにわたり2バンドラジオに使用されている、CXA1019が使われています。このICは表面実装のタイプもありますが、このラジオはふつうの挿入するタイプが使われています。基板は片面が表面実装、もう片面は挿入実装になっています。抵抗や容量の小さいコンデンサーは表面実装されており、反対側には、ケミコン、コイルやバリコン、ICが取り付けられています。

仕様

発売:

1994年 (平成6年)

電源:

単3x3(4.5V), DC IN

トランジスタ等:

1 IC

音声出力:

280mW*

バーアンテナ:

100mm

スピーカー:

66mm, 4Ω*

操作部:

電源SW付ボリューム、バンド切替SW、チューニング

表示等:

チューニングLED

受信周波数:

AM:: 530 - 1605 kHz
FM:: 76 - 108 MHz

ターミナル:

Earphone, DC IN

シリーズ:

サイズ:

W158mm x H85mm x D35mm

重量:

230g

色:

黒

製造:

日本製

価格:

4,000円

メンテナンス

受信は問題ありませんでした。簡単な掃除がしてあり、外観ぱっと見は綺麗でした。ロッドアンテナの根元が変形しているため、アンテナが収納できず、また、ボディが一部欠損していました。

ぱっとみ綺麗ですが、狭いところに汚れがつもっており、元はかなり汚れていたようです。

アンテナの根本を曲げてしまい、それを無理やり戻そうとしたためか、金具がぐにゃぐにゃしており、本体側も一部欠損していました。

ネジは5本あり、蓋の爪はそれほど深くないので、比較的容易に外れます。

パターン・表面実装側ですが、かなりほこりが積もっていました。

スピーカーはビス1本で止められています。スピーカーグリルとスピーカーの間には不織布が挟んであり、スピーカーは綺麗でした。

基板のビスを1本外し、電池電極は外せば基板が取れます。電極も含め、スピーカー以外の部品はすべて基板マウントで、機能的なつくりです。こちらの面は、バリコン、IC、ケミコン等が取り付けられています。バーアンテナは大き目の100mmです。

本体前面です。複雑な形をしています。

チューニングのダイヤルスケールは、前面側のパネルが取り外せる形になっており、ラックギアやダイヤル針は、前側から入れ込む形になっています。

アンテナの根本金具は、金槌で叩いて平にしました。もとの形状は分かりませんが、まっすぐ平らにしてアンテナ受けにもスムーズに入りましたので、問題ないようです。

パターン・表面実装側です。歯ブラシ、綿棒等で掃除しました。

部品側です。

キットラジオのように、気持ちよく分解できます。

カタログ情報等

ソニーのしおり

ソニー商品のしおり89 (1998), p73

お手頃価格でいい音が楽しめるFM/AMハンディポータブルラジオ
TV(1～3)/FM/AMハンディポータブルラジオ
ICF-S60　標準価格4,000円（税別）

FM（TV1～3ch)/AMの2バンド
使いやすいアナログチューナー
光で最適同調点を知らせるLEDチューニングインジケーター付き
便利なハンドストラップ付き
別売ACパワーアダプター(AC-E45M)使用可
吊り下げパッケージ入り

音がいいとありますが、確かに、本体目いっぱいのサイズの、しっかりしたスピーカは使われています。販売店用のカタログのためか、販売時のパッケージパッケージが記載されています。

2022/11/25