SONY ICR-4420

Serial No. :284637

概要

ICR-4420は1チップICを使用した、MWとNSB(当時のラジオ短波、現在のラジオ日経)が受信できるポータブルラジオです。同じくNSB用レシーバーのTR-4400, TR-4410の流れを汲んでいるラジオだと思います。TR-4410とは、能的には大きな違いはなさそうです。
NSBの周波数に合わせたクリスタルが6個搭載されており、このクリスタルで各チャンネルに対応した周波数での発振を安定して行なうことで、ワンタッチで中間周波に変換しています。中波は、普通にバリコンとアンテナコイルで同調しています。バンド切替SWは7ポジションあります。
ボディは銀色に塗装されていますが、地のプラスチックは薄黄色です。バンド切替は7ポジションのスライドスイッチが使用されています。前モデルでは、各バンド切替表示にLEDがたくさん使われていましたが、このラジオは機械的な表示機構を採用しています。
写真のラジオにはついていませんが、It's a sonyの時代のラジオで、左上部にそのロゴシールが貼られていました。左下部には、ラジオ短波特別推薦のステッカーが貼られています。
写真の個体のシリアルナンバーは、20万台で、かなりの台数が売れたのでしょうか。インターネット等のない時代、株をやるにはNSBが必須だったのかもしれません。前面パネルの右下にある、青色の四角いマークは、当時のNSBのマークのようです。
前モデルはトランジスタラジオでしたが、このラジオからIC化されました。AMラジオ使われている、CX-845という名前のICが使われています。短波帯も対応しているICだったようです。

仕様

発売：

1983年?

電源：

単3x3(4.5V)、DC 4.5V

トランジスタ等：

1 IC

バーアンテナ：

100mm x 8mmφ

スピーカー：

60mm

最大出力*：

操作部：

電源SW付ボリューム、チューニング、バンド切替SW

表示等：

受信周波数：

MW:: 530- 1605 kHz
NSB1:: 3.925, 6.055, 9.595 MHz
NSB2:: 3.945, 6.115, 9.760 MHz

ターミナル：

イヤホン、DC IN(Center +)

サイズ：

W150mm x H75mm x D35mm

重量：

277 g

色：

シルバー

シリーズ：

ラジオたんぱ

製造：

台湾製

価格*：7,900　円

メンテナンス

動作は問題ないようですが、アンテナの付け根が割れていました。

ネジ4本外す区と裏蓋が取れます。爪などはなく、スムーズに外れます。

パターン面になります。それほど汚れていませんでした。

バンド切替SWを外せば、基板の付いたシャーシと前面パネルが分離できます。

アンテナ回りの前面パネルですが、ネジの受けが折れていました。

チューニングは糸とプーリーのメカです。

折れたネジ受けは、金属には溶接並みの接着力があるタイプ（メタルロック等）を使ってみました。プラスチックは種類により強度は変わるようですが、この樹脂（多分ABS)には、ネジ止めできる強度は得られたみたいです。

スピーカー部分も簡単に外せましたので、外して清掃しました。

前面パネル、清掃・補修後です。

アンテナの根元部分の破損ですが、押し付けても隙間があり、樹脂が欠損していました。エポキシ系の接着剤で充填・接着しました。

補修後の内側です。補修のためアンテナを外しましたので、再度ネジ止め剤（ロックタイト222）塗りました。

カタログ情報等

SONY商品のしおり

SONY商品のしおり　No.55 (1987) p87
”ラジオ短波”NSB全6波をワンタッチでジャストチューニング。ワンチップICを採用して感度もアップした＜ラジオ短波＞
NSB1/NSB2/MW ハンディポータブルラジオ
ICR-4420　　￥7,900

☆日本短波放送特別推薦
FM/AMの2バンドを気軽に受信して楽しめるハンディーポータブルラジオ

クリスタル6波内蔵で、NSB1/NSB2をワンタッチ・ジャストチューニング
ワンチップIC採用の高感度・高信頼性設計
中波をジャストチューニングできるLEDインジケーター
6.6cmスピーカーを作用して、豊かな音量とクリアーな音質

全モデルからの変更点はIC化と、ラジオたんぱの一発選局を前面に押し出しています。

パッケージ

紙箱に入れられて販売されていたようです。

箱の中身。イヤホンが付属しています。

2022/07/25