SONY ICR-EX25

Serial No.

概要

ソニーICR-EX25は、サブポケットサイズのAM専用ICラジオです。特殊な電池を使わないスピーカー付きラジオとしては最もコンパクトな部類で、厚みは単4電池分ありますが、大きさ的には名刺サイズです。

同時期に、同じデザインでFM/AM2バンドのICF-EX35, 更にVHFも受信できるICF-EX55Vが発売されています。
AM専用、コンパクトということで、トランジスタラジオの世界に広めたTR-610の流れをくむラジオと思います。前機種はICF-S22と思われます。
"EX"がついたラジオは、Extra感度ということで販売され、最初にICF-EX5に付けられました。ただ、その後はこれらの3台に付けられたのを最後に、付けられなくなってしまいました。ICF-EX5とこの3台のラジオは、高感度のための対策が全然異なっており、違和感がありますので、そう言ったことも理由なのかもしれません。
このシリーズで共通ですが、大型バーアンテナとFET高周波増幅の採用で高感度を達成と記されています。また、スピーカーは樹脂コーンの四角いものが使用されています。四角のスピーカーは面積確保の面で有利かもしれませんが、音質面では良くないと聞いたこともあります。
このラジオの基板は、バンド切替SWが無いなど、乗っている部品は多少異なりますが、上位機種の2バンドラジオICF-EX35と全く同じもののようです。使用されているIC CXA1280Nも、FM/AM2バンドのワンチップICです。キャビネットも共通部品が使用されているようです。重量もだいたい同じです。

仕様

発売:

1988年 (昭和63年)

電源:

単4x2 (3V)

トランジスタ等:

2IC(?), TR

音声出力:

80mW *2

バーアンテナ:

49mm *2

スピーカー:

44mm スクエア *2

操作部:

電源SW、ボリューム、チューニング

表示等:

同調LED

受信周波数:

AM:: 535 - 1605 kHz

ターミナル:

イヤホン (2.5mmφ)

シリーズ:

名刺サイズ

サイズ:

W57 x H95 x D17 mm

重量:

74g

色:

黒

製造:

日本製 *1

価格:

6,000円 (税別) *2

*1　本体記載　　*2　商品のしおり

メンテナンス

ケースに入れられていたようで、本体は傷も少なくきれいです。動作も問題ありませんでした。

メンテ後のコンデション

★★★★★：受信状態・外観とも良好です。

詳細

電池ボックスの中に小さいビスが一つあります。爪でしっかり止まっていますので、下側にある隙間に、布を当てたマイナスドライバーのようなものを当ててひねり、下側を外します。後は、樹脂へらで爪を外していきます。スピーカーのケーブルがテープで留められていて、全開できませんので、ゆっくり開きます。

テープを開くと、裏蓋が完全に開きます。前側キャビネットが外れるタイプです。バンド切替スイッチ等はついていませんが、基板自体は2バンドのICF-EX35と共通のようです。オレンジの指針もこのラジオでは見えていない下側まである、同じものが付いています。

珍しいスクエアのスピーカーです。フラットに近く、前面側に鉄がくっつきます。コーン紙もフレームも樹脂製です。スピーカーは四角ですが、スピーカーグリルは円形にフェルトが貼られていない造りのため、外からは丸いスピーカーっぽく見えます。

樹脂なので水で拭き取れます。

洗浄前のキャリングケースです。特に透明部分は曇りもひどくあまりきれいではないです。洗剤で洗い、ポリメートを塗り込んだら大分きれいになりました。この手のケースは劣化で縮んでいて、ぴちぴちになっていることが多いのですが、素材が異なるのか、どちらかというとゆるゆるです。

カタログ情報等

製品のしおり

ソニー製品のしおり72 (1992), p83

スピーカー付き名刺サイズ。大型バーアンテナ採用の高感度設計<EXシリーズ>
AM専用ポケッタブルラジオ

ICR-EX25 標準価格¥6,000(税別)

主な付属品:キャリングケース、イヤーレシーバー、乾電池

透磁率の高いコアを使用した、大型バーアンテナ(名刺サイズで最大のφ10x49mm)の採用による高感度設計

FET RFアンプ採用で弱い電波も鋭くキャッチ

大きなスクエア型4.4cmスピーカー採用の高音質設計

LEDチューニングインジケーター

音の良いイヤーレシーバー「ヌード」付属

電池持続時間:UMー4(U)使用時、イヤホン約42時間、スピーカー約19時間

2024/10/24

No.232