SONY TR-3510
概要
- TR-3510はAM専用の縦型ポケットラジオです。TR-3500の後継機種のようで、デザインは非常に似通っています。裏面の仕様表示の部分が、樹脂への直接の文字入れから、シールに変更されています。金型を流用していると思われます。あとカラーのラインアップが、赤・青・黒/銀パネルの3色から、黒パネル/黒・銀パネル/黒へと変更されています。
- 仕様がほとんど変わらないのに、新しいモデルになっているのは、価格改定が理由かもしれません。価格は、2,400円から2,900円に値上げされています。1973年はオイルショックの年で、インフレが進行して1973～75年で消費者物価は35%も上昇しています。
- 外見がTR-3500とほとんど変わりませんが、中身は異なっています。回路的にはほとんど変更はないようですが、組み立て簡略化のためか、信頼性向上のためか、バーアンテナが基板実装に変更されています。TR-4150とほぼ同じようです。
- 時代により中身はバリエーションがあるようです。写真の黒のもののスピーカーは日本製、シルバーのものはインドネシア製です。
- オーソドックスは6石のトランジスタの回路です。写真の黒の個体には、高周波は2SC710 x 3, 低周波は2SC634A x 3が使用されています。
仕様
- 発売：
- 1975年(昭和50年)
- 電源：
- 単3 x 2
- トランジスタ：
- 6 TR
- バーアンテナ：
- 53 mm
- 操作部：
- 電源SW付ボリューム、チューニング
- 受信周波数：
-
- AM:
- 530 - 1605 kHz
- ターミナル：
- EARPHONE
- 色：
- 黒、シルバー
- サイズ：
- H120mm x W70mm x D30mm
- 重量：
- 185g
- 製造：
- 日本製
メンテナンス
動作も問題なく、外観もきれいなラジオでした。ただ、中はスポンジがぼろぼろで、くずだらけでしたので、交換・清掃しました。
内部の見た感じはTR-4150とほとんど同じです。裏蓋のスポンジは剥げ落ちてなくなりテープだけが残っています。
TR-3500と異なり、スピーカー周りにスポンジシールが貼られています。パターンとスピーカーの接触防止なのか、がたつき防止なのか良くわかりません。このスポンジが電池から漏れた液でぬれたことがあったようで、パターンが一部腐食で侵食されていました。
パターンの腐食は動作上問題ないようですので、掃除だけしてスポンジの代わりに、写真では見難いですが、ドーナツ状のPETの板を両面テープで固定しました。
ケース内部の掃除をして、裏ぶたのスポンジを貼りなおしました。
メンテナンス-2
ボリュームがガリを通り越して接触不良でした。クリーンンぐとスポンジテープを交換しました。
スポンジが崩れています。裏蓋のスポンジは厚さ1mmぐらいがちょうどよさそうです。
基板ははめ込みです。爪で留まっています。スピーカーの磁石回りにスポンジテープた使われていましたが、ぼろぼろです。
スポンジテープは外しました。スピーカーはインドネシア製です。メーカーは松下電工です。
スピーカーと基板パターン側が接触しそうなので、念のため絶縁紙を挟んでおきました。磁石の方は大丈夫な感じです。
ボリュームは分解できるタイプでした。接点洗浄剤でクリーニングしました。
2009/04/25, Last Update 2022/12/19
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