Sony TR-3800
概要
- AM専用のポケットラジオです。特別小さく作られている訳でもなく、基本的な機能のローエンドモデルで、機能的に同様のTR-3550と同時期に販売されていました。どちらも1978年に販売開始となっているようです。この頃から、廉価ラジオについては海外での生産が進められたみたいで、このラジオは台湾製です。
- 同じようなモデルのTR-3550は香港製で、内部も海外部品が多い感じですが、このラジオは、結構中身の部品は日本製です。ケミコンはAsunoと記されており、詳細不明ですが、この頃のソニーの台湾製ラジオによく使われています。
- 本体はやや丸みを帯びたずんぐりとしたデザインで、前面にはアルミパネルが使われています。色のラインアップも3色と豊富です。電池交換は裏蓋ごと開けるタイプで、基板の固定もはめ込みのみ（外しにくいですが）、電池電極も基板取り付けになっており、シンプルな設計です。
- 回路的は7石のスーパーラジオです。半導体は、シリコン・ゲルマニウム混合で、局発には2SC929, 中間周波～低周波増幅には2SC536x4, 最終段には2SB187/2SD187（ゲルマニウム）が使用されています。コイル・バリコンはミツミ製です。最終段の電力増幅は、NPNとPNPを組み合わせた、入出力トランスレスの回路が採用されています。
仕様
- 発売：
- 1978年(昭和53年)
- 電源：
- 単3 x 2 (1.5V)
- トランジスタ：
- 7石
- 音声出力:
- 60 mW *2
- バーアンテナ:
- 53mm
- スピーカー:
- 57mm*2, 8Ω, 0.2W
- 操作部：
- 電源SW付ボリューム、チューニング
- 受信周波数：
-
- AM:
- 530 - 1605 kHz*1
- ターミナル：
- EARPHONE
- サイズ：
- H100 x W67 x D33mm
- 色:
- 黒、赤、青
- 重量：
- 174g
- 製造：
- 台湾製*1
- 価格：
- 2400円
*1 本体記載 *2 商品のしおり
メンテナンス1
多少ボリュームにガリがありましたが、それ以外は特に異常なしでしたので、分解清掃実施しました。
裏ぶたを開けたところです。パーツがホットボンドのようなものでくっつけられているので、パーツの確認がやりにくいです。古いラジオはほとんどスポンジがぼろぼろになっていますが、このラジオはなぜかきちんと残っています。
基板ははめ込み式で、ネジ等を外すことなく取り外せます。ほこり掃除して終了としました。
メンテナンス2
黒色のセットです。動作は問題ありませんでした。たばこか線香かわかりませんが、あまり好ましくないにおいが付いており、分解して清掃しましたが、完全には取れませんでした。
電池交換は、裏蓋をまるごと開けるタイプです。基板の実装側が見えます。
基板ははめ込み式なのですが、爪が固くて外すのに少し苦労しました。臭いは、内部よりも外部メインのようです。プラスチッククリーナー等も使い掃除しましたが、完全には消えませんでした。天気の良い日に日干しでもしようかと思います。
カタログ情報等
製品のしおり
製品のしおり 29 (1978), p30
- ひとりに1台の聴き歩きラジオ(AM専用)
- 通勤・通学・旅行のパートナーに
- TR-3800 ¥ 2,400
- 高性能トランジスタとフェライトアンテナ採用により快適な受信
- 5.7cmスピーカー,選択度のすぐれたセラミックフィルターを使用。小型ながら満足できる音質
- 小型・軽量で携帯に便利なハンドストラップつき
- 赤・黒・青の3色があります
- 電源 - 乾電池(単3型.2個)3v
- 大きさ - 幅73X高さ100X奧行32mm
- 重さ - 205g(乾電池含む)
- 色 - プラック・シルバー
当時、ポケットラジオがいくつかカタログに掲載されていますが、この機種が100円差をつけて最安値になっています。高性能トランジスタというのは、2SC929/2SC536のことでしょうか。
2010/06/04, Last Update 2024/02/07
No.29
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