SONY TR-800
概要
- AM専用のポータブルラジオです。英語版のカタログには、"Powerful Solid State Medimu Wave Portable"というキャッチが使われています。大きさ的には据え置きにしてはやや小さめという感じですが、スピーカーも0.8Wとなっており、最終段のトランジスタにも小さいですが一応放熱板が付いていますので、音量はしっかりでます。小さめのホームラジオとして使えるといった感じです。
- このラジオは、基板が巨大ICというか、抵抗の多くは基板上に直接形成されています。抵抗の影だけ残っているように見えます。一部は普通の抵抗も使われています。電力の大きいためなのか、実装の都合なのかは良く分かりません。壊れたらどうするのだろうという気もしますが、確かに炭素皮膜の抵抗が壊れていたという話はあまり聞きません。半田付けはあまり信頼性が高くないので、半田不良を減らす品質面からの対応なのか、それとも製造コストダウンの目的なのか、なぜこのような方式を採用したのかは良く分かりません。しかし、この時期に何種類か作られただけのように感じですので、さほど実利が無かったのかもしれません。
- スピーカーグリルは良くある多孔板、表示部が大きく作られています。ぱっとみFM/AMラジオかと思いきや、ダイヤルの右側は大きな字で書かれた等分目盛りです。ボリュームの目盛りもやけに大きいです。ホームラジオを意識したつくりでしょうか。
- このラジオが発売されるずっと前から、SONYのラジオにはTR-8xxというのがたくさんあります。どうしてここでTR-800がでるのか分かりにくいですが、どうも従来のTR-8xxというのは、TR-8x-xのような意味合いだったのかもしれません。
- 使用トランジスタは、高周波は2SC829 x 4、低周波は2SC-870 x 2, 2SB495 x 2です。大きなバーアンテナが使用されており、感度はまずまずではと思います。
仕様
- 発売：
- 1969年(昭和44年)
- 電源：
- 単2 x 3, DC 4.5V
- トランジスタ等：
- 8石
- バーアンテナ：
- 160mm
- 音声出力：
- 1W
- 操作部：
- 電源SW付ボリューム、トーンSW(MUSIC/NEWS)、チューニングダイヤル
- 受信周波数：
-
- AM:
- 530 - 1605 kHz
- ターミナル：
- イヤホン、DC IN 4.5V
- サイズ：
- W193mm x H126 x D48mm (カタログ値)
- 重量：
- 約600g / 700g（カタログ値）
- 製造：
- 日本製
- 価格：
- 5,900円
メンテナンス
購入時から問題無く動作していました。ケース付きで、ケースもきれい、本体もきれいで掃除の必要もありませんでしたので、中を見てみただけです。
内部もきれいでほこりなどもあまり見当たりません。前に記しましたとおり、抵抗が５個ぐらいしか見当たりません。残りは基板上に形成されているようです。炭素皮膜が基板上に乗っけられています。加工されている部分は、なんとなくつやつやしています。
基板上の抵抗のアップです。スピーカーはオンキョー製のようです。この時代のソニーのラジオに良く使われているように思います。
2010/03/08
Upadate : 2013/04/30
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