リチア輝石(スポジュメン)
Spodumene
概要
- 輝石(pyroxene)は火成岩を構成する代表的な鉱物で、リチア輝石はそのグループの一つです。輝石はX-Y-Si2O6で表され、X,Yの種類の組み合わせ等で、20種類以上が鉱物として認められています。リチア輝石は、そのなかで、X= Li（リチウム）, Y=Alとなっているものです。
- 輝石の英名pyroxeneは、火成岩中で目立つ鉱物であることから命名されたようです(pyro - 火, xene - 異物)が、日本語の「輝石」は英名のpyroxeneとは関係なく、輝石なかでは一番ありふれた普通輝石augite(aug - 輝く）の訳語のようです。リチア輝石は日光にあたると、灰色に変色することがあり、英名のspodumeneは、そこから来ているようです(spodos - 灰)。
- 色は、無色の他、黄色、ピンク、緑、灰色などいろいろあり、きれいな角柱状の、きらきらした感じ結晶です。巨晶が産出されることが有名で、10mを超えるような大きな結晶も見つかっているそうです。ピンクのものはクンツァイト(kunzite)、緑のものはヒデナイト(hiddenite)と呼ばれて宝石になっています。クンツァイトは宝石学者Kunzから、ヒデナイトは鉱物学者Hiddenに由来するようです。
- 色がきれいで状態の良いものは、カットして宝石として使用されます。リチウムのソースの一つであり、昨今のリチウムイオン電池の需要増に伴い、重要性が増しています。
標本写真
写真1
長さ 35mm。透明感のあるきれいなクンツァイトの結晶。産地は、ブラジル ミナスジェライス
データ
- 分類：
- ケイ酸塩鉱物
- 化学式：
- LiAlSi2O6
- 結晶系：
- 単斜晶系
- 外観：
- 長柱状もしくは厚板状の結晶。色は、透明、ピンク、緑、灰、黄等
- 用途：
- リチウムの鉱石、宝石
- 比重：
- 3.2
- モース硬度：
- 6.5-7.0
2003/03/30
Last update :2021/11/22
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