SONY 2R-21A

Serial No. 不明(脱落)　色：白ストラップ欠品

概要

2R-21Aは、AM専用のボケっとタイプのトランジスタラジオです。大変コンパクトなラジオで、2R-21のマイナーチェンジモデルになります。コンパクトながらも、トランジスタは8石と、標準的な回路よりもに使われています。

コンパクトなラジオですが、十分な性能で電源も006Pを使用しており、実用的です。操作性向上のため、ボリュームつまみとチューニングつまみは同じ場所に集められています。デザインはやや縦長の正方形に近い形で、スピーカーグリルを強調したもので、前機種の2R-21と変わりません。後ろ型の金属製の銘板には、2R-21Aと記載されていますが、キャビネットに入れられている文字は、2R-21のままです。
2R-21からの変更点としては、前面パネルがアルミ地のシルバーから黒の塗装品に変更されています。各色ともまたキャビネット背面が、前面パネルと合わせて黒になっており、サンドイッチのような配色になっています。あと、カラーバリエーションが赤、灰、紺の3色から、赤、白、緑に変更されています。ただ、これは日本発売品で海外では両モデルとも他の色もあったようです。
内部の回路は2R-21から大きく変更はないようですが、基板のパターンやパーツの配置は多少違っています。トランジスタの型番は変更になっていますが、2R-21の時代にも型番そのままで、トランジスタや基板は変更されていました。
2R-21の時代から数えると、6年ぐらいは販売されていました。このラジオの後継はICR-2100あたりではと思いますが、これはICラジオですので、「AM専用・トランジスタ・サブポケッタブル」としては完成形で、最後のモデルだったのかもしれません。
内部は部品がぎゅうぎゅうです。空きスペースに入れるため、折り曲げて寝かせたりとか工夫も見られます。8石ラジオですが、6石からの2石は、発振と混合を分割した他励式のためと、低周波増幅を3段にするために使われています。
キャリングケーズが付属しています。合成皮革のようですが、経年で縮んでしまいパツパツです。上からかぶせるタイプであるところが少しかわっています。
手持ちのセットは、いろいろなトランジスタが使用されています。型番が確認できないトランジスタもありますが、局発が2SC403A, ミキサー、IF増幅が2SC829 x3, 低周波ドライブアンプが 2SC870 x2, パワーアンプは型番を確認できませんが、ゲルマニウムトランジスタの2SD-65 x2と思われます。2SC829は松下製です。2SC870はソニーの社名が入っていますが、ハンドブックでは三菱となっていますので、OEMなのかもしれません。