SONY 2R-28

Serial No.805604

概要

2R-28はAM専用のポケットサイズのラジオです。基本的な機能に絞った、エントリーモデルです。

このラジオを皮切りに、よく似たデザイン・機能のラジオがこのころ発売されています。内部の基板も似ています。特に2R-29は、基板は同じもののようで、発売時期もほぼ同じことなので、デザイン違いという感じです。
廉価なお手軽ラジオですが、前面にはアルミパーツを使うなど、デザインにはひと手間掛けられています。初期のトランジスタポケットラジオは、9Vの積層乾電池を使うものも多かったですが、このラジオは3Vで動作します。
デザインは角ばっています。本体カラーは、黒、赤、白の3色があります。海外のサイトの情報も多く、欧州・アメリカでも広く販売されていたようです。
回路的には6石のオーソドックスなトランジスタラジオです。トランジスタはすべてゲルマニウムタイプです。ミキサー・局発は2SA201, 中間周波増幅は 2SA202, 2SA203, 低周波電圧増幅は2SB136, 最終の電力増幅は、2SB187 x2 です。

仕様

発売:

1969年 (昭和44年)**+

電源:

単3x2, (3V)

トランジスタ等:

6 TR

音声出力:

115mW**

バーアンテナ:

53mm

スピーカー:

60mm**, 8Ω**, 0.2W

操作部:

電源SW付ボリューム、チューニング

表示等:

受信周波数:

MW:: 530 - 1605 kC*

中間周波数

455kC(MW)*

ターミナル:

イヤホン

シリーズ:

サイズ:

W65mm x H93mm x D31mm

重量:

162g

色:

黒、赤、白

製造:

日本製*

価格:

円

*本体表記, **トランジスタラジオ回路図集6

+インターネット上に、アメリカのKMartが1966年に$9.95の広告を出しているとの情報あり。日本とアメリカで大きく発売時期が異なっていたかもしれない。

メンテナンス

動作問題ありませんでした。大分古いラジオですが、ボリュームのガリも無しです。内外クリーニングしました。

裏蓋を開けるためのスリット周りがくたびれています。少しプラスチックの質が良くない感じもします。コストダウンの一環でしょうか。

電池交換には裏蓋を外します。スポンジは問題ありませんでした。

スピーカーは意外ときれいでした。淵が少し変形していましたが、差し障りなりそうなのでそのままにしました。

配線側です。3つ程部品が付けられています。

実装側です。コンパクトな作りです。2R-29とほぼ同じ基板に見えます。

スピーカーはノーブランドかと思いきや、磁石のところではないところに印字がありました。パイオニア製です。

No.181

2023/06/11