SONY ICF-B03

Serial No.　177844

概要

ICF-B03は、FM/AM2バンドの非常用ラジオです。手回し発電機を内蔵しており、乾電池がなくても、発電機で内蔵のNi-MH電池に充電することで、ラジオを聴くことができます。

ICF-B200の流れをくむ、手回し発電機・充電池内蔵の災害用ラジオです。前機種のICF-B02からデザインに変更はなく、ラジオとしての機能も変わっていないようですが、充電がスマートフォン対応になっています。充電は発電機、乾電池から行うことができますが(内蔵充電器からは不可)、最大電流の都合なのか、2012年というと、4S、5の時代ですが、アイフォンには対応していません。
災害用ということで、防滴仕様(JIS防滴II型)となっており、水しぶきや雨に当たるような場所でも使用できます。キャビネットも液状パッキンのようなものでシールされています。
非常用ということで、LED照明がついています。スポットライトと柔らかく光り全体を照らすソフトライトの2モードがあります。緊急用のホイッスルも付属しています。
充電池は700mAの単4サイズのNi-MH電池を2本組み合わせたものが使用されています。これを手回しで満充電にするのはかなり大変で、使用する分にはもっと小さくても支障ないと思いますが、発電機の電流に合わせて容量が選ばれていると思われます。
1分の発電でAMラジオを60分、LEDランプを15分点灯することができます。ゲラケーは機種によると思いますが、待ち受け90分、通話3分となっています。
このラジオは2012年の発売ですが、1年ぐらいしか販売されなかったようです。当時、一気に広まったiPhoneへの充電に対応していないことがネックだったのではと思います。後継機種のICF-B08, ICF-B88はいPhoneに対応しており、翌年の2013年に発売されています。
2.4V供給時のLEDの電流は23mAぐらいでした。1分の充電で15分点灯できるということで、単純計算で1分で13.8mWhの充電量となり、発電機は830mWぐらいでしょうか。今時のスマホはバッテリー3000mAh(3.7V)とかなので、10分で1%充電が増える程度になり、かなり大変ですが、緊急時にあるのとないのとでは大きく違うかもしれません。
ラジオ基板と電源基板に分かれています。ラジオは普通の1チップの2バンドICラジオですが、ポータブルに広く使用されているCXA-1019ではなく、CXA1280Nが使用されています。電源基板はは発電機からNi-MHへの充電と、5Vの給電を行っているようです。充電池からは2本の電源の他、もう一本コードが出ており、温度検知用でしょうか。

仕様

発売:

2012年 (平成24年)

電源:

単4x2(3V)、内蔵Ni-MH電池(2.4V)、手回し発電機

トランジスタ等:

3IC(?), TR多数

音声出力:

90mW(3V)、60mW(2.4V)

バーアンテナ:

50mm

スピーカー:

36mm, 8Ω, 0.5W

操作部:

電源・バンドSW、ボリューム、チューニング、電源切替SW、ライトSW

表示等:

同調LED,充電LED

受信周波数:

AM:: 530 - 1605 kHz
FM:: 76 - 108 MHz (VHF 1 - 3 CH)

ターミナル:

イヤホン、充電出力

シリーズ:

サイズ:

W x H x Dmm

重量:

色:

製造:

中国製 *1

価格:

円

*1　本体記載　　*2　商品のしおり　　*3取扱説明書

メンテナンス

動作問題なく、内部確認・分解清掃のみです。

メンテ内容

分解清掃

メンテ後のコンデション

★★★★★：ラジオ・ライト動作は問題なく、外観も良好です。内蔵のNi-MH電池については、劣化しているかもしれませんが、外部充電端子がなく、手回し発電しか充電できないので確認できていませんが、非常時対応として手回し発電でラジオとして機能するところまでは、確認できました。

詳細

このラジオは、取説に分解方法が記載されている珍しいラジオです。廃棄時に内蔵のMi-MH電池を分別するために、記載されているようです。まずはソフトライトのシェードのビス2本を外します。

側面のつまみを引っ張って外します。側面カバーの下のほうにビスがありますので、それを外して側面カバーを外します。後面キャビネットには見える部分に2本のビスがありますが、側面カバーに隠れていた後面キャビネットのビス2本、電池ボックス内のビス2本と合わせて6本外すと後面キャビネットが外れます。

キャビネットは液状ガスケットのようなものでシールされていますので、取り外し時少し力が要ります。前側にも後ろ側にも基板があります。こちらは前側の基板で、ラジオ関係のパーツです。

こちらは後ろ側キャビネットです。充電池と、充放電の回路基板があります。

電源部の基板です。2つのICの他、表面実装のトランジスタが多く使われています。

スピーカーはコーンはプラスチック製で、キャビネットのユニットはホットメルトのようなもので、全周接着されています。

このラジオは使用しているビスのサイズがまちまちで、それも微妙な差です(実測で1.6, 1.7, 1.9mmの3種類)。分解時はどこのビスか、メモしないと組み立て時に困りそうです。

前側、ラジオの基板です。中央のチップがラジオ用ICのCXA-1280Nです。

外すと指針のラックが外れてしまいますが、一番低い側の指針の位置マークがあります。

ソフトライトは、横にLEDがあり、導光板が入っています。

カタログ情報等

ソニーサイト - 商品情報

https://www.sony.jp/radio/products/archive/ICF-B03/ (2024)より抜粋

いま使える。いざ頼れる。携帯電話・スマートフォンに充電もできる手回し充電ラジオ

FM/AMポータブルラジオ

ICF-B03　　　オープン価格

付属：携帯電話接続用プラグ付きコード、携帯電話接続用充電プラグアダプター（3種類）、キャリングポーチ、ハンドストラップ、ホイッスル

いざというときでも困らない。ラジオ・携帯充電・LEDライト付きの手回しラジオ

手回し充電に対応

スマートフォン・携帯電話充電に対応

使いやすさにこだわった操作部

防滴仕様

高感度ロッドアンテナ

扱いやすい小型設計

大口径3.6cmスピーカー

2種類の高輝度LEDライトを装備

3.6cmのスピーカーが大口径というのは、ちょっと解せません。

収納ケース

保管用の袋が付属しています。携帯充電用のケーブルと、取説、緊急用の笛等を入れて保管できます。

袋に入れるとこんな感じです。

2025/01/17

No.239