SONY ICR-P10

Serial No.

概要

ソニーICR-P10は、AM専用のハンディポータブルラジオです。ワンチップICを用いた、お手軽ラジオ、ローエンドモデルです。

手軽に中波放送を聞きたいという人のためのシンプルなラジオで、機能は基本的なものに絞ったラジオです。電源スイッチは独立していますが、あとはボリュームとチューニングだけのシンプルなラジオです。ほぼ同じ仕様でちょっとだけデザインが異なるICR-P15も同時期に販売されています。
1996年発売のICR-S30の後継と思われます。色は黒からこの頃ソニーのラジオに広く使われていたシルバーに変更されました。全般的にデザインはよく似ています。中身も余り変わっていません。
同時期に発売さていたICR-P15とは、立ち位置は同じですが、P10は電源スイッチが独立しており、スイッチオンにするたびにボリュームの調整をしなくてすみます。しかし、同調LEDはありません。また、こちらは、当時でも少なくなっていた日本製でです。後述の通り中身は大きくことなっており、そのためか、最大出力は同じですが、電池寿命は少し短いようです。
オープンプライスなので実売価格がよくわかりませんが、ヨドバシでの最終価格は780円ということで、P15の1150円より安かったようです。後述の通り、新しいICが使用されており回路がシンプルになっていますが、その分性能的にはやや劣ったのかもしれません。
2009年の地上波アナログ放送の停波に合わせて、FMの受信範囲を拡大してTV 1-3Chが聞ける機器はモデルチェンジしました。TVの表示を削除しただけの機種も多かったですが、このラジオはAM専用のためその影響を受けませんでした。2015年ぐらいまでは販売されていたようで、かなりのロングセラーでしたが、2010年代後半に生産中止となったようで、ソニーのAM専用ポータブル・ポケッタブルラジオは、ICR-P15とともに幕を下ろすことになりました。
ICひとつのワンチップラジオです。ICR-S30でも使用されていた、CXA1600が使用されています。このICは中間周波増幅に必要な回路を内蔵しているようで、それまでのワンチップICよりも更にシンプルな構成になっています。455kHzの中間周波数を半導体回路で処理するのは大変なので、55kHzという低い中間周波数が採用されているようです。

仕様

発売:

2000年 (平成12年)

電源:

単3x2 (3V)

トランジスタ等:

1IC

音声出力:

80mW

バーアンテナ:

50mm

スピーカー:

約57㎜*3 8Ω 0.2W

操作部:

電源SW、ボリューム、チューニング

表示等:

受信周波数:

AM:: 530 - 1605 kHz *3

ターミナル:

イヤホン

シリーズ:

サイズ:

W x H x Dmm

重量:

色:

製造:

日本製

価格:

オープンプライス　*2

*1　本体記載　　*2　商品のしおり　　*3取扱説明書

メンテナンス

外観に塗装の剥げはありますが、全体にきれいなラジオでした。動作も問題なく、分解清掃のみです。

メンテ内容

分解清掃

メンテ後のコンデション

★★★★★：外観はややくたびれていますが欠損や脱落はなく、動作も問題ありません。

詳細

多少こすれがあり、塗料が剥げて地の灰色が出ている部分があります。電池フタはリボンで繋がっており、無くしにくい親切設計です。

ICR-P15と違い、裏蓋はビス3本使われ、キャビネットに爪は無いようです。このIC使用により、大型部品は、バリコン・バーアンテナ・ボリューム・OSCコイル・ジャックの他は、ケミコンが4つとダイオード2つのみと、徹底的に絞られています。

後側キャビネットです。

基盤を外したところです。電池の電極はスポンジでテンションを効かせた金具が基板に接触するようになっています。

基板のパターン側です。パーツは表面実装の積層セラコンが2つのみです。

歯ブラシ、濡れ付近、つまようじ等で掃除しました。

カタログ情報等

商品のしおり

商品のしおり98 (2001), p80

気軽に楽しめる手のひらサイスのAM専用ハンディポータブルラシオ

AM専用ハンディポータブルラジオ

ICR-P1O　　　オープン価格

付属:イヤホン、単3乾電池x2

吊り下げバッケーシ入り

ハンドストラップ付き

使いやすいアナログチューナー

お手頃プライスのAM専用ラシオ

質量:約180g

大きさ:幅66X高さ114X奥行31mm

電池持続時間:約38時間

2025/03/06

No.