SONY ICR-S40

概要

AM専用の1-ICのポケットラジオで、1990年の発売です。一番廉価なシリーズで、現在のラインアップではお手軽ラジオに分類されるものだと思います。外観は1996年発売のICR-S30と外見はそっくりのラジオです。本体は同じパーツのようですが、細かく見ると違うところもあります。ICR-S30は中国製ですが、こちらは日本製です。年代的には、ICR-S39という、同様の仕様でデザインの異なるラジオが、この2機種の間にありますので、デザイン的には、
ICR-S30と外観的で異なるところは、当たり前ですが型番表示と、ダイアル部分の表示TUNING(ICR-S30はTUNE)などになります。また、本体を止めるビスの色が異なっています（手元の個体での確認結果ですので、個体差あるかもしれません）。機能的には、こちらのラジオは、1700kHzのワイドAMバンドとなっています。
そのため、当時は、船舶向けの気象情報放送（船舶気象通報、灯台放送）を聞くことができました。残念ながら、インターネット等の普及により、2016年にこの放送は終了しましたので、この使い道は無くなってしまいました。また、1665/1651kHzで特定の場所（海上交通の要所）で放送している、船舶向けラジオも聴けます。
立ち位置的には、ICR-S4の後継機種と思われます。サイズも小さくなり、丸みを帯びたデザインになるなど、外観は大きくことなっています。廉価なラジオですが、このラジオの赤色は深みのある赤色で、個人的には高評価です。
この種の廉価ラジオは、SW付ボリュームが使われていることが多いですが、この機種は電源スイッチが独立してつけられています。スイッチを入れる毎に音量調整をする必要はないところは便利です。スピーカーと基板はケーブルではんだ付けされているものと、金具で接触させるタイプの2バージョンあるようです。
厚みのあるバリコンが使われています。よく見るとトリマーが4つあり、FM/AM2バンド用のバリコンのようです。片側のバリコンは探索されており使用されていません。部品の共通化のためなのでしょうか。
1-ICのラジオです。CXA-1033というワンチップICが使用されています。これはICR-S4のころから使用されており、スーパーラジオ用のICで、主要部品を取り付けるだけで動作します。中間周波増幅は局発の周波数から逆算すると、450kHzと思われます。