SONY SRF-SX100RV

Serial No.97071 (イヤホン本体は100均のものに交換)

概要

ソニーSRF-SX100RVは、名刺サイズのAM/FM/VHF3バンドラジオです。イヤホン専用ですが、PLLデジタルチューニング、FMに加えてAMもステレオ受信ができるなんでも入りです。巻き取り式のイヤホンが内蔵されています。モデル名にあるSXは、この頃、AM高感度設計のモデルにつけられています。デザイン的にもSXが強調されています。

SRF-SX80R、SRF-SX90RVと同じ頃に販売されています。前者はTVをカバーしておらず、SRF-SX80は、TVは聴けますが、AMステレオは聴けませんので、両機種の上位互換機種で、イヤホンモデルハイエンドです。これら以外にも、スピーカー付き、FMモノラル、イヤホンモノラルなど、多くの類似モデルが発売されていました。
AMステレオも年々放送局が減少し、現在(2023)関東で受信できるのは、ニッポン放送(1242kHz)のみとなってしまいました。この表示が見られるのもそう長くはないのかもしれません。
新エリアコールという、エリアを選択すると選局がプリセットされる機能が付いています。各都市を選択すると、7つのボタンで各バンドにプリセットされた放送局を一発選局できます。
この時代の内蔵リールイヤホンは、本体の材質に耐久性がなく、写真の個体も劣化で本体が脱落してレシーバーユニットだけになっていました。
AMのステップを9kHzと10kHzに切り替えるスイッチがあり、海外でも使用できるようになっています。このスイッチを10kHz側に切り替えると、海外モードになります。
IC、TRが多数使用されています。後面側には、ラジオ用のメインのIC(IC201)としてソニーのCXA1111Nが付いてます。FM/AMのフロントエンドから復調まで行うICです。VHF用にフロントエンドから復調用のTA7358(TOSHIBA)、レギュレータICが2つあります(IC402,IC403)。バーアンテナの近くにある8本足のICの様な部品は、発振・同調用のバリキャップで、ICではないようです。
AMステレオの復調のために、CXA1758とCXA1657という2つのICが使われています。前者はMain/Subの信号の分離で、後者はその信号からR/Lを取り出すICのようです。CXA1758は上下ともシールドで覆われています。AMステレオ非対応のSRF-SX80RVでは、基板は同じですがこの部分は空きになっていています。
前面側はLCDの下に、LCD制御・マイコン用のIC(μPD1724GB)が確認していませんが、あるようです。あと、FMステレオ復調用のLA3335(IC301)、低周波増幅用のLA4533(IC302)が使用されています。

仕様

発売:

1993年 (平成5年)

電源:

単4x2

トランジスタ等:

9(?) IC, 17(?) TR (Dual含む)

音声出力:

10+10mW

バーアンテナ:

50mm

スピーカー:

操作部:

電源SW、ボリューム、バンド切替SW、TUNE/TIMESET切替、AREA/MY切替、選局SW(1-7)、ST/MONO切替、AREA選択、TIMER、ENTER/CLOCK、AMステップ切替

表示等:

LCDパネル

受信周波数:

国内モード時

AM:: 531 - 1710 kHz (9kHzステップ)
FM:: 76 - 90 MHz
TV(VHF):: 1 - 12 CH

海外モード時

AM:: 530 - 1710 kHz (10kHzステップ)
FM:: 76 - 108 MHz

ターミナル:

シリーズ:

サイズ:

W60mm x H105mm x D20mm

重量:

色:

黒

製造:

日本製

価格:

13,800円(税別)

メンテナンス

受信は問題ありませんが、イヤホンの本体が劣化でだめになったのか、根元の部分を残して無くなっていました。今回はそのへんのイヤホンを使って修理してみました。

イヤホンの本体がの根元を残してありません。劣化により砕け落ちたようです。コードの接続部も銅膜から剥がれています。

セリアで110円で購入したTV用イヤホンというものです。ペンチ等で縦に力を加えると、接着剤が剥がれて耳にあたる部分が外れます。

レシーバー部をどうするか迷いましたが、元のものが補修できそうで、大きさ的にも入りそうでしたので、本体部のみ取り替えることにしました。

根元の樹脂は、ニッパーで除去しました。

新しい本体ですが、少し長い感じなので、5mmほどカットしました。

接続部の銅箔が剥げていましたので、残っていたパターン部を削って銅面を出し、はんだ付けしました。

元のケーブルの団子縛りを解き、代用ケースのアナに通してからレシーバーをはんだ付けしました。

ストッパー代わりに縛って団子にしました。あとはケースに収納して、耳当ての部分を取り付けました。

裏蓋はビスを2本外して、下側のへこみに、柔らかい布を当てたドライバーなどを当ててひねると外れます。爪が何か所があります。

基板の後ろ側です。真ん中のシールドは、AMステレオ用のICが中にはいっているようです。オレンジ色のパーツは小型大容量の、表面実装タイプのタンタルコンデンサーです。

基板の前側です。LCDの下に、マイコン・LCDドライブ用のICがあるようですが、確認できていません。スイッチ類は基板上に直接取り付けられています。

プラス＋マークのある部分に、電池の電極が接触するようになっています。ねんのため、導電グリースを塗っておきました。

イヤホンはしっくりとは納まりませんが、まあ、ぼちぼちです。白マジックのRL表記はもう少しスマートにしたいところです。。

使い方

PLL方式のラジオで操作はやや複雑です。詳細は、SRF-SX80RVのページを参照ください。

カタログ情報等

商品のしおり

商品のしおり95 (1993), p78
収納に便利なイヤーレシーバー巻き取り式に日本初の両耳ステレオタイプ登場
しかも迫力のAMステレオ対応です
TV(1～12ch)/FM/AM PLLシンセサイサーラジオ
SRF-SXIOORV　　標準価格13,800円(税別)
付属品：キャリングケース、乾電池

TVも聞ける3パンド
イヤーレシーバーを本体に収納できる巻き取りタイプ
新エリアコール機能:計99局を一発選局
海外でも使えるワールドチューナー
乗り越し防止タイマー、マイメモリー

電池持続時間:約14時間(FMステレオ時、AMステレオ時)約10時間(TV時)
大きさ:幅60X高さ105X奥行20mm
重さ:100g

2023/04/05

No.167